ピロリ菌について
皆様こんにちは。院長の高山哲朗です。当院ではご来院いただいた方に医学情報を月替わりでお渡ししています。
コラムの方にも不定期になりますが、内容をお伝えしたいと考えました。
今回は「ピロリ菌」についてです。
ピロリ菌をご存知ですか?人の胃に住む唯一の菌で多くの疾患の原因になるやっかいものです。
ピロリ菌って何?
胃には菌はいないと思われていましたが、1983年にロビン・ウォレン博士とバリー・マーシャル博士により発見されました。彼らは後にノーベル賞を受賞しています。
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となることが知られ、その後様々な研究により、現在では「胃癌」の原因の一つとしてWHOにも指定されています。川や井戸水などにいて、日本人では50歳以上では70%以上の方、60歳以上では80%以上の方が感染しています。
検査はどうしたらいいの?
いくつかの方法があります。
- 検査薬を飲んでから息を吹く(最も鋭敏な検査)
- 血液検査
- 便検査
- 内視鏡で組織を取って検査
治療方法は?
1種類の胃薬、2種類の抗生剤を朝晩2回、1週間連続で飲むことにより除菌できます。成功率は70~90%と報告されています。よく使う薬ですが、量が多いので内服中は副作用(皮膚の湿疹、下痢など)が少し出やすいと言えます。副作用が強く出るといけないのでその間は禁酒が必要です。
※重要
ピロリ菌を除菌すると胃がんになる確率は下がります。しかし胃がんにならなくなるわけではありません。このため胃カメラを行うことが重要なのです。
医学情報サイトいしゃまちにもピロリ菌の記事の監修など行っております。
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